初めてサスペンションを知ったのは、多分、4月か5月のF-MEATに初参加したときに見たBURSTで、だと思います。それには、今年の2月に東京で行われたサスペンションパーティーの様子が載っていました。それまで、『サスペンション』という概念さえなかった私はただ、「痛そう」、「なんでこんなんするん?」と思っていました。その後、BMEのBBQのDVDで、動画でのサスペンションを何回か見ました。このDVDでは、背中にフックを刺してブランコのように揺れているのが印象的でした。ただ「痛そう」と思っていたのが、「痛そうだけど、楽しそう」という感覚に変わっていました。
At A Glance Author reikon Contact reikon@bme.anon IAM reikon When A month ago Artist reo-san Studio near the sea Location fukuoka そして今年の5月。インプラントで有名なスティーブ・ハワースが福岡に来て、F-MEATでのサスペンションパーティーが行われました。この頃には「ちょっとやりたいなぁ」くらいに思っていたのですが、まだ恐怖心のほうが強く、「やりたい」とは言い出しませんでした。このサスペンションパーティーは福岡市内某所で密かに決行されました。スティーブによって背中にフックを刺され、吊るされたディさんやノブさんを見ていると、だんだん恐怖心が小さくなっていきました。実際にサスペンションを見たことで、サスペンションに対する好奇心がますます湧いてきました。それに私が見たサスペンションはとても楽しそうで、どことなく安心感がありました。遂に「やりたい」と思うようになってしまったのです。
その後、7月に博多で行われる山笠の見学もかねてF-MEATが大々的に行われることが決まりました。福岡のメンバーだけでなく、東京近辺や大阪、さらに韓国からもIAMのメンバーが集まることになり、サスペンションパーティーが行われることになりました。掲示板での「サスペンションやりたい人いる?」との呼びかけに、「私もやりたいです」と即返事をしてしまいました。それだけやりたいと思っていたのです。
サスペンションは7月13日に行われることが決まり、F-MEATには雨がつきものなので、その日の天候が気になりました。週間天気予報では、降水確率がそれほど高くなかったので、晴れるように願掛けをしようとして、友達にはサスペンションをする予定であることをいいませんでした。こういうバカな願掛けを私はよくやります。あまり効きませんし、今回に関していえば、全く効きませんでした。当日は断続的に激しい雨が降り、寒さに震える羽目になりました。
その日の朝は曇り空で、たまに雨がぱらついていました。どうしてもサスペンションをやりたかった私は「このくらいの雨なら平気。中止にせんでぇ」とばかり思っていましたが、とりあえずサスペンションを行うところに向かうことに決まりました。スティーブが来た時にサスペンションを行ったのと同じ場所、同じ木でした。自分がサスペンションを見た場所と同じ場所で自分が吊られるということは、他の場所で吊られるよりも遥かに安心感があったと思います。
目的地に着き、いろいろとサスペンションの準備をしている時から、雨が降ったり止んだりでしたが、どうせだから雨がひどくなるまでやってしまおう、ということに決まりました。その決定にホッとしましたが、「誰からやる?」という質問になると、私は「なんか1番目はイヤ」と思い、黙ってしまいました。直前になって、ちょっとびびったのかもしれません。1番目はノブさんに決まり、ノブさんのキューピーサスペンションやハリポタをみていると、だんだんやる気がでてきました。無事にノブさんの楽しいサスペンションが終わり、「次、誰がやる?」ということになったので、「やりたいです」と申し出て、2番目にサスペンションをすることになりました。
フックを刺してもらった時、雨は小雨だったか降っていなかったと思います。マーキングをしてもらい、地面に敷いたビニールの上に膝をつき、レオさんとディさんに8Gのフックを2本ずつ合計4本背中に刺してもらいました。フックを刺してもらった時、ニードルが自分の背中の肉を切り裂いていく感触を痛みとともに感じました。私の勝手な計画では、もっと脳内麻薬がばんばん出て痛くないばずでしたが、実際は普通に痛かったです。でも、「やりたい」という気持ちは変わりませんでした。フックの刺さった背中を携帯でとった写真などで見せてもらい、フックが刺さっていることに「すげー」とちょっと感動した後、木の下に向かいました。
フックを刺した所から2、3メートル離れた木の下で、レオさんに金具をフックにつないでもらい、ゆっくりとロープをひっぱってもらいました。少しずつ背中の皮が伸びていくのを感じました。「膝を曲げてフックにかける体重を自分で調節しながら浮いた方がいいよー」というアドバイスを聞いて、膝を曲げたり足の位置をずらしたりしているうちに、ふと私の足が地面から離れました。じわじわと浮いたので、浮いた瞬間がすごかった、とは思わなかったのですが、浮いた事がとにかく嬉しくて、「すげー」とか「おわー」とか言ってました。
宙に浮くと、背中の皮が引っ張られているせいか、息苦しさを覚えました。ディさんが「呼吸忘れんでね。ゆっくり深呼吸。」と教えてくれたので、ゆっくり呼吸しようとしてみましたが、呼吸すること自体が難しかったです。フックの間の背骨あたりにかなりの違和感を感じました。フックの痛みは鈍いものになり、少しずつ弱くなって最後の方は痛みは感じていませんでした。
そのまま雨の中で傘をさしてみたり、水鉄砲を撃ってみたり、F-MEATお決まりのハリポタをやってみたりしました。そのうちディさんが体を揺らしてくれたので、ブランコのように揺れてみました。揺れるにつれて、背中の皮膚の下にどんどん空気が入っていく感じがしました。ジュワジュワという音が聞こえた気がしましたが、定かではありません。吊られている時は、感覚が普通とは違っていました。どう違っていたのかは、はっきり言えませんが、確実に違っていたと思います。周囲に対する感覚が薄れ、自分が浮いて揺れていることが楽しくてしかたありませんでした。しかし、周りでみんなが見守っていてくれていることはぼんやりと感じました。とても嬉しかったです。
しばらくブンブン揺れていると、なんだか疲れてきたので下に降ろしてもらいました。地面に足がついた瞬間、軽い貧血のような感じになって視界が白っぽくなりましたが、ゆっくり呼吸したらすぐ楽になりました。フックから金具を外してもらい、フックを刺した場所まで戻って膝をつき、ニードルを抜いてもらいました。ニードルを抜く時の痛みは全くなく、いつ抜いたかわからない程でした。背中に入った空気をぎゅうぎゅう押して抜いてもらい、私のサスペンションが終わりました。
結局この日は悪天候の中、火吹きを楽しみながら、計6人のサスペンションが行われました。天気は最悪で7月にはあり得ない程の寒さでしたが、本当に楽しい1日でした。それもこれも、一緒にサスペンションパーティーを楽しんだメンバーのおかげだと思います。ありがとうございます。
後日、大学の友達にサスペンションをやったことを報告すると、「お前、痛そうやけんやらんて言いよったやんか!」と言われました。以前はそう思っていたのか、と過去を振り返って少ししんみりしていると、「またやりたい?」ときかれ、もちろん「やりたい!」と即答してしまいました。正直言うと、フックを刺した直後に「痛いからもうやらない」と思っていたのですが、全てが終わってみると楽しくて痛みはどうでもよくなっていました。次回やるまでに、もっと健康になって体力をつけて、さらに楽しみたいと思います。